オペレヴィ・ヴィクセ

ユークリッドの『原論』を少しずつ読んでいくブログです。タイトルは「Q.E.D.」の元になったギリシャ語の「όπερ έδει δείξαι.」。

第1巻命題25 二つの三角形の不等な辺

もし二つの三角形において、二辺が二辺にそれぞれ等しく、底辺が底辺より大きいならば、等しい線分に挟まれる角も一方が他方より大きいであろう。 

 

『原論』の第1巻は、全部で48個の命題がある。つまり、今回から「後半」がスタートする。後半の方が複雑な命題が多いので、気を引き締めて読んでいこう。

 

とはいえ、今回は簡単だ。今回の命題は、前回の命題の逆である。

stoixeia.hatenablog.com

前回は角が大きければ底辺も大きいという話だったが、今回は底辺が大きければ角も大きいという話だ。

 

二つの三角形ΑΒΓ、ΔΕΖがあり、ΑΒ=ΔΕ、ΑΓ=ΔΖ、そして底辺ΒΓ>底辺ΕΖとする。

f:id:kigurox:20171214215912p:plain(ΑΒ=ΔΕ、ΑΓ=ΔΖ、ΒΓ>ΕΖ)

このとき、角ΒΑΓが角ΕΔΖより大きいことを示す。

証明は背理法を使う。大きくないとすると、等しいか小さいかのどちらかである。場合分けして考えよう。

まず角ΒΑΓと角ΕΔΖが等しいとき。
この場合、二つの三角形は二辺が二辺に等しく、それらに挟まれる角も等しいため、底辺ΒΓも底辺ΕΖに等しいことになる*1。しかし、いま底辺は等しくない。ゆえに角ΒΑΓと角ΕΔΖは等しくない。

次に、角ΒΑΓが角ΕΔΖより小さいとき。
この場合、角ΕΔΖが角ΒΑΓより大きいわけだが、前回の命題24から、底辺ΕΖが底辺ΒΓより大きいことになる*2。しかし、そうではない。ゆえに角ΒΑΓは角ΕΔΖより小さくない。

以上から、角ΒΑΓは角ΕΔΖに等しくも小さくもないことが示された。ゆえに角ΒΑΓは角ΕΔΖより大きい。

よって、もし二つの三角形において、二辺が二辺にそれぞれ等しく、底辺が底辺より大きいならば、等しい線分に挟まれる角も一方が他方より大きいであろう。これが証明すべきことであった。

 

前回に比べ、はるかに簡単な証明だ。補助線もない。突っ込みどころも特にないだろう。

特に書くこともないので、今回はここまで。

 

 

*1:命題4「もし二つの三角形が二辺が二辺にそれぞれ等しく、その等しい二辺に挟まれる角が等しいならば、底辺は底辺に等しく、三角形は三角形に等しく、残りの二角は残りの二角に、すなわち等しい辺が対する角はそれぞれ等しいであろう」

*2:命題24「もし二つの三角形において、二辺が二辺にそれぞれ等しく、等しい線分によって挟まれる角の一方が他方より大きいならば、底辺も底辺より大きいであろう」