等しくかつ平行な二線分を同じ側で結ぶ二線分は、それ自身等しくかつ平行である。
文章だけでは何を言っているのか、わかりにくいかもしれない。
長さが等しく、しかも平行な二線分ΑΒとΓΔがあるとする。
(ΑΒ // ΓΔ、ΑΒ=ΓΔ)
これを「同じ側で結ぶ」とは、右端同士、左端同士で結ぶという意味だ(結んだ線分が互いに交わらないように結ぶと解釈してもよい)。つまり、ΑΓを結び、ΒΔを結べばよい。
このとき、ΑΓとΒΔも、等しくかつ平行だと主張している。早速証明しよう。
まず補助線として、ΒΓを結ぼう*1。
二つの三角形ΑΒΓとΒΓΔに注目する。ΑΒはΓΔに平行であり、ΒΓがそれらに交わるので、錯角ΑΒΓ、ΒΓΔは互いに等しい*2。さらにΑΒはΓΔに等しく、ΒΓは共通なので、二つの三角形ΑΒΓとΒΓΔは二辺が等しくそれらの挟む角も等しいので、合同である*3。
合同であることがわかれば、あとは簡単だ。
まず、合同なので、対応する辺ΑΓとΒΔは互いに等しい。
さらに対応する角ΑΓΒとΔΒΓは互いに等しいので、二直線ΑΓ、ΒΔに一直線ΒΓが交わり、錯角ΑΓΒ、ΔΒΓを等しくしている。ゆえに直線ΑΓはΒΔに平行である*4。
よって、等しくかつ平行な二線分を同じ側で結ぶ二線分は、それ自身等しくかつ平行である。これが証明すべきことであった。
いよいよ平行四辺形っぽい雰囲気が出てきた。ただし今回の命題は、平行四辺形ではなく平行線の性質と見るべきだろう。この命題は、のちのち平行四辺形の変形を行う際に利用される。