オペレヴィ・ヴィクセ

ユークリッドの『原論』を少しずつ読んでいくブログです。タイトルは「Q.E.D.」の元になったギリシャ語の「όπερ έδει δείξαι.」。

第1巻命題39 同底上の等しい三角形

同じ底辺の上にあり、かつ同じ側にある等しい三角形は同じ平行線の間にある。 

 

前々回の命題37で、同じ底辺の上にあり、かつ同じ平行線の間にある三角形は互いに等しいことを示した。今回の命題は、その逆である。

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二つの三角形ΑΒΓΔΒΓを、同じ底辺ΒΓの上にあり、かつ同じ側にあり、かつ等しい三角形とする。このとき、両者は同じ平行線の間にあることを示す。

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言い換えると、ΑΔを結んだとき*1、ΑΔとΒΓが平行線であることを示したい。

証明は背理法で行う。ΑΔがΒΓに平行でないとし、点Αを通りΒΓに平行な直線を描こう*2。それとΒΔとの交点をΕとし、ΕΓを結ぶ*3

f:id:kigurox:20180129075726p:plain(ΒΓ // ΑΕ)

すると、いま作られた三角形ΕΒΓは、三角形ΑΒΓに等しいはずである。なぜなら、同じ底辺ΒΓの上にあり、同じ平行線ΒΓ、ΑΕの間にあるからだ*4

ところが、三角形ΑΒΓは三角形ΔΒΓにも等しいので、ΕΒΓΔΒΓにも等しい*5。だがそれは不可能だ。なぜなら、小さいものが大きいものに等しくなってしまうから*6。ゆえに、ΑΕはΒΓに平行でない。

同様にして、下図のように、点ΕがΔについてΒと反対側にある場合も、ΑΕがΒΓに平行でないことが示せる。

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ゆえに、ΑΔ以外のいかなる線分も、ΒΓに平行ではない。したがって、ΑΔはΒΓに平行である。

よって同じ底辺の上にあり、かつ同じ側にある等しい三角形は同じ平行線の間にある。これが証明すべきことであった。

 

冒頭で述べた通り、今回は前々回の「同じ底辺・同じ平行線の間にある三角形」の逆である。そして次回は、「等しい底辺・同じ平行線の間にある三角形」の逆だ。

では「同じ底辺・同じ平行線の間にある平行四辺形」「等しい底辺・同じ平行線の間にある平行四辺形」の逆はというと、実はこれは出てこない。

その代わり、少し先の方で「平行四辺形は三角形の二倍」という命題が出てくる。これと今回の命題を合わせれば、平行四辺形についても簡単に証明できる。

 

 

*1:公準1「任意の点から任意の点へ直線をひくこと」

*2:命題31「与えられた点を通り、与えられた直線に平行線を引くこと」

*3:公準1「任意の点から任意の点へ直線をひくこと」

*4:命題37「同じ底辺の上にあり、かつ同じ平行線の間にある三角形は互いに等しい」

*5:公理1「同じものに等しいものはまた互いに等しい」

*6:公理8「全体は部分より大きい」