オペレヴィ・ヴィクセ

ユークリッドの『原論』を少しずつ読んでいくブログです。タイトルは「Q.E.D.」の元になったギリシャ語の「όπερ έδει δείξαι.」。

第1巻命題38 三角形の等積変形[等底編]

等しい底辺の上にあり、かつ同じ平行線の間にある三角形は互いに等しい。 

 

前回は、底辺が共通な三角形の等積変形を論じた。

stoixeia.hatenablog.com

今回は、底辺が等しい場合について論じよう。

f:id:kigurox:20180126191217p:plain(ΒΓ=ΕΖ)

図のように、二つの三角形ΑΒΓ、ΔΕΖを、底辺ΒΓ、ΕΖが等しく、同じ平行線ΒΖ、ΑΔの間にある三角形とする。このとき、両者は(面積が)互いに等しいことを示す。証明方法は、前回とほとんど同じである。

まずは補助線だ。ΑΔを両方向にΗ、Θまで延長し*1、Βを通りΓΑに平行にΒΗを、Ζを取りΕΔに平行にΖΘを引く*2

f:id:kigurox:20180126191232p:plain(ΓΑ // ΒΗ、ΕΔ // ΖΘ)

すると、二つの四角形ΑΓΒΗΔΕΖΘは、ともに平行四辺形であり、しかも互いに等しい。なぜなら、底辺ΒΓ、ΕΖが互いに等しく、同じ平行線ΒΖ、ΗΘの間にあるからだ*3

そして三角形ΑΒΓは、平行四辺形ΑΓΒΗの半分である。なぜなら、対角線ΑΒが、平行四辺形ΑΓΒΗを二等分しているからだ*4

同様に、三角形ΔΕΖも、平行四辺形ΔΕΖΘの半分だ。なぜなら、対角線ΔΖが、それを二等分しているから*5

二つの平行四辺形ΑΓΒΗΔΕΖΘは互いに等しいので、それらの半分である二つの三角形ΑΒΓΔΕΖも互いに等しい*6

よって、等しい底辺の上にあり、かつ同じ平行線の間にある三角形は互いに等しい。 これが証明すべきことであった。

 

前回と同様、補助線を引いて等しい平行四辺形を作り、二つの三角形がそれらの半分なので等しい、と示した。

色々注釈を書きたいところではあるが、それもだいたい前回の記事で書いてしまったので、そちらに譲ろう。他にも細かい突っ込みは、命題35から連続して色々書いている。

 

今回も、三角形の重なり方には下図のように色々あるが、どの場合であっても、今回の方法で証明できる。

f:id:kigurox:20180126185258p:plain

f:id:kigurox:20180126185304p:plain

 

「平行四辺形は対角線で二等分される」という命題は、中学のときに問題として出された記憶はあるが、定理として紹介された記憶はない。問題として出たあとも、それを使って何かをしたりはしなかったと思う。

しかし前回も今回も、この命題が大活躍している。まさかこんなに活用されるとは思わなかったので、ちょっと意外だ。

 

 

*1:公準2「有限直線を連続して一直線に延長すること」

*2:命題31「与えられた点を通り、与えられた直線に平行線を引くこと」

*3:命題36「等しい底辺の上にあり、かつ同じ平行線の間にある平行四辺形は互いに等しい」

*4:命題34「平行四辺形において、対辺および対角は互いに等しく、対角線はこれを二等分する」

*5:命題34「平行四辺形において、対辺および対角は互いに等しく、対角線はこれを二等分する」

*6:公理6「同じものの半分は互いに等しい」