オペレヴィ・ヴィクセ

ユークリッドの『原論』を少しずつ読んでいくブログです。タイトルは「Q.E.D.」の元になったギリシャ語の「όπερ έδει δείξαι.」。

第1巻命題33 平行な二線分を結ぶ二線分

等しくかつ平行な二線分を同じ側で結ぶ二線分は、それ自身等しくかつ平行である。 

 

文章だけでは何を言っているのか、わかりにくいかもしれない。

長さが等しく、しかも平行な二線分ΑΒとΓΔがあるとする。

f:id:kigurox:20180111011411p:plain(ΑΒ // ΓΔ、ΑΒ=ΓΔ)

これを「同じ側で結ぶ」とは、右端同士、左端同士で結ぶという意味だ(結んだ線分が互いに交わらないように結ぶと解釈してもよい)。つまり、ΑΓを結び、ΒΔを結べばよい。

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このとき、ΑΓΒΔも、等しくかつ平行だと主張している。早速証明しよう。

まず補助線として、ΒΓを結ぼう*1

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二つの三角形ΑΒΓとΒΓΔに注目する。ΑΒΓΔに平行であり、ΒΓがそれらに交わるので、錯角ΑΒΓΒΓΔは互いに等しい*2。さらにΑΒΓΔに等しく、ΒΓは共通なので、二つの三角形ΑΒΓとΒΓΔは二辺が等しくそれらの挟む角も等しいので、合同である*3

合同であることがわかれば、あとは簡単だ。

まず、合同なので、対応する辺ΑΓΒΔは互いに等しい。

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さらに対応する角ΑΓΒΔΒΓは互いに等しいので、二直線ΑΓΒΔに一直線ΒΓが交わり、錯角ΑΓΒΔΒΓを等しくしている。ゆえに直線ΑΓΒΔに平行である*4

よって、等しくかつ平行な二線分を同じ側で結ぶ二線分は、それ自身等しくかつ平行である。これが証明すべきことであった。

 

いよいよ平行四辺形っぽい雰囲気が出てきた。ただし今回の命題は、平行四辺形ではなく平行線の性質と見るべきだろう。この命題は、のちのち平行四辺形の変形を行う際に利用される。

 

 

*1:公準1「任意の点から任意の点へ直線をひくこと」

*2:命題29「一つの直線が二つの平行線に交わって成す錯角は互いに等しく、外角は内対角に等しく、同側内角の和は二直角に等しい」

*3:命題4「もし二つの三角形が二辺が二辺にそれぞれ等しく、その等しい二辺に挟まれる角が等しいならば、底辺は底辺に等しく、三角形は三角形に等しく、残りの二角は残りの二角に、すなわち等しい辺が対する角はそれぞれ等しいであろう」

*4:命題27「もし一直線が二直線に交わって成す錯角が互いに等しければ、この二直線は互いに平行であろう」