オペレヴィ・ヴィクセ

ユークリッドの『原論』を少しずつ読んでいくブログです。タイトルは「Q.E.D.」の元になったギリシャ語の「όπερ έδει δείξαι.」。

第1巻命題18 三角形の大きい辺は大きい角に対する

すべての三角形において、大きい辺は大きい角に対する。 

 

三角形ΑΒΓにおいて、辺ΑΓがΑΒより大きいとき、それぞれの対角も同じ大小関係にあると述べている。

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この命題では二つの辺と二つの角しか見ていないが、当然三つの辺と角に対して同じことが言える。

証明は簡単だ。さらっと証明して終わりにしよう。

 

いまΑΓはΑΒより大きいので、ΑΓ上にΑΒに等しい線分ΑΔを切り取り*1、ΒΔを結ぶ*2

f:id:kigurox:20171126140145p:plain(ΑΒ=ΑΔ)

ここで、角ΑΔΒに注目しよう。これは三角形ΔΒΓの外角なので、内対角ΔΓΒより大きい*3

ところで、辺ΑΒとΑΔが等しいので、角ΑΔΒ角ΑΒΔに等しい*4。ゆえに角ΑΒΔ角ΑΓΒより大きい。

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さらに図より、角ΑΒΓ角ΑΒΔより大きいので、なおさら角ΑΓΒより大きい。

よって、すべての三角形において大きい辺は大きい角に対する。これが証明すべきことであった。

 

要するに、角ΔΓΒ角ΑΔΒ角ΑΒΔ角ΑΒΓと示す証明だ。ポイントは二等辺三角形を作るところだろうか。

そういえば、これまでにも何度か、
「ΑよりΒが大きく、ΒよりΓが大きいので、ΑよりΓが大きい」
という三段論法のような証明があった。

しかし、「大きいものよりもさらに大きいものは、第一のものより大きい」といった公理は存在しない。暗黙の了解として使っているようだ。

 

 

*1:命題3「二つの不等な線分が与えられたとき、大きいものから小さいものに等しい線分を切り取ること」

*2:公準1「任意の点から任意の点へ直線をひくこと」

*3:命題16「すべての三角形において、辺のひとつが延長されるとき、外角は内対角のいずれよりも大きい」

*4:命題5「二等辺三角形の底辺の上にある角は互いに等しく、等しい辺が延長されるとき、底辺の下の角は互いに等しいであろう」